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ソフトバンクが運営するサイバー大学を紹介するブロガーミーティングに参加してきました。わたしの期待はサイバー大学の学部にある「IT総合学部」と「世界遺産学部」の講義の具体的な内容が聞ける事でしたが、これは期待はずれで、サイバー大学の設立の趣旨の説明と、後はわたしにとってはどうでも良い内容の質疑応答で終わってしまいました。
インターネットで物事を学べるサイバー大学は面白い試みと思いますので、当日の模様をわたしなりに記事としてまとめてみました。
 

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サイバー大学の設立の趣旨

ソフトバンクの孫社長と学長を務めている吉村教授の2人の話し合いから始まったそうです。当然世界遺産学部が主で、ソフトバンクが経営をする大学なので後からIT総合学部を付け足したみたいです。

設立のコンセプトは「100年大学」。いかにも伝統のある早稲田の教授の吉村さんらしいキャッチコピーですが、サイバー大学が100年たった頃には早稲田は200年たっているので、200年大学となっています。大学は100年たって初めて真価が問われるから付けた「100年大学」らしいですが、営業先行のいやらしさを感じざるを得ません。
 

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教育格差をなくしたい

教育格差をなくしたいと言うのが設立の趣旨の一つと説明を受けたのですが、何が教育格差なのか、時間なのか、地理的条件なのか、金銭的な問題なのか、具体的な説明がありませんでした

ただ、実務運営、実際に教育を受けている学生の話の中で「24時間いつでも授業を受けられる」ことから社会人など通学する時間のない方向けの「時間格差の解消」、遠隔地でもインターネットがあれば授業が受けられるという事から「距離による格差の解消」当たりを意識しているのかなと思いました。

具体的にサイバー大学が目指している「教育格差」とはこれです。という説明がありませんでしたので、上記はあくまでも当日の話を聞いたわたしなりの解釈です

社会的な問題となっている金銭的な格差の解消は考えていないようです。少なくとも奨学金制度など、優秀でありながらも大学に行けない人間を呼び込もうという話は一切ありませんでした。むしろ経営ビジネスの話が出て、最短でも4年間、現時点では10年間をめどとした収支を考えているという話がでました。悪く取れば金を持っている人以外は相手にせずと言えます。
これは現在の日本の社会的な風潮に合ってもいるので、サイバー大学だけを攻めるわけにはいきませんが、新しい試みだからこそ、こうした点にも力を入れて欲しかったと思います。

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学生の大半が社会人

学生は社会人が主だそうです。在校生は約2100名。
これまで時間的な余裕が無かった人たちが、主に学んでいるようです。
学生の地域的な分布で見ると、首都圏が最も多く、次いでソフトバンクと縁の深い福岡が多いです。その他、関西や北海道など全国的に若干の学生がいるようです。

本来はサイバー大学と学生の縦のつながりだけの教育機関のはずですが、実際にはオフラインミーティングなども東京と関西と福岡では行われていて、学生同士の実際にあってのコミュニケーションも計られているそうです。
逆に言うと、学生数の少ない地域で学んでいる人はオフラインミーティングに参加できないので、地域格差が生じてきます大学の設立の趣旨と矛盾しています。

教育カリキュラムは即戦力の育成をうたっています。社会人を強く意識しているためでしょう。
わたしはネット系のシステムエンジニアなので、IT総合学部の科目に興味があり、具体的に何を学べるのかパンフレットを熟読しましたが、わたしがあえて受講したい科目はありませんでした。

ついでに言うと、わたしは自営業者なので人を雇う立場にあります。わたしの元に「サイバー大学を卒業しました」から「きっちりと学問を修めましたので雇ってください」、という人物がわたしの所に来ても、「それであなたは何ができるの?」と問うでしょう。サイバー大学は少なくとも学歴としては、雇う側にとっては今のところは意味を成していません。ただし、まだ1人の卒業生もいませんので、これは今後のサイバー大学の課題と思います。

科目と先生のユニーク

Dsc00532教養学科に落語家の立川談志氏などを配置するなど、科目にはユニークさを取り入れています。また、地域にとらわれずに先生の側も教えることが出来るので、日本全国から優秀な先生やユニークな視点を持ち教えることの出来る先生を集めることが出来ます。中にはアメリカのシアトル在住の先生もいると聞きました。地域格差の先生の側の解消といえます。
 

学生の横のコミュニケーション

Dsc00533大学内に学生のためのSNSが用意されていて、学生の約70%の利用率があるそうです。SNSは利用者側が積極的に参加しないと役に立たないものなので、コミュニケーションの手段としてはやや不足していると思います。

それを埋めるのがオフラインミーティングとサイバー大学自身でうたっていました。
社会人が中心なので、20代から50代以上まで年齢にとらわれずに学生が交流するので、意外な人脈が出来たりするようですが、地域格差の助長をサイバー大学が自ら薦めていると捉え兼ねられません。遠隔地の方もお金を出せば飛行機で参加できますが、金銭的な格差があれば参加は無理でしょう。実際にわたしが北海道に住んでいたとして、航空運賃と宿泊費をかけてまでオフラインミーティングに参加したいとは思いません。
 

金銭的な負担と卒業単位

卒業には124単位が必要となります。一単位21000円です。教養科目は一科目一単位、それ以外の科目は一科目二単位です。
学費で見ると、実大学よりもやや安いといった所です。通学費などまで考えると、更に安くなると思います。

ただし、忙しい社会人が4年間かそれ以上の年をかけて124単位を取得できるかという問題があります。それと、受けたい魅力のある科目が124単位分用意されているかという問題もあります。入学しても4年間在校する学生がどれだけいるか、開校2年目のサイバー大学ではまだ分かりませんが、そうとうの脱落者がでておおかしくないと思います。

むしろ、社会人をターゲットとするなら、希望の履修科目だけの身を受講できるシステムを導入して、卒業などにこだわらない人にアピールをした方が良いのではとも思います。

授業の時間的な配分

実大学の講義の時間は90分ですが、サイバー大学は60分です。これは先生が無駄な話をしたりする必要がなく、60分きっちりと講義をするからだそうです。実際、大学に行かれた方ならおわかりですが、90分間、講義をし続ける先生は不味いません。講義の開始で多少の無駄話をして学生をリラックスさせたり、伝達事項を話したり、時に遅刻をすることもあります。
今日はちょっと早めに講義を切り上げます、と言われて喜んだ記憶もあります。

サイバー大学ではそのようなことが無いので、60分の講義時間にしましたが、これは正しい選択と思います。
ただし、人間の一回に集中できる時間は60分ほどの長さは無いので、途中で休憩を入れながら講義を聴かないと、頭に講義の全てが入らないと思います。講義の途中で停止できるかどうかなどの機能は、当日は話しに出ませんでしたし、実際に試すことも出来ませんでした。

先生はスタジオで撮影をします。
当然、講義内容の事前準備はしていますから、大変な負担と思います。実大学のように、その場で当意即妙な授業と言うことは出来ないシステムです。実際に先生を務めているソフトバンクの社員の方の話しでも、教える方の負担が大変だと行っていました。
専任の先生だと、6科目を持たされます。
ただし、教員がいくら大変と言われても学生には関係はありません。支払った金額に見合った授業がどれだけ受けられるかが重要なのです。この辺り、教える側が大変大変と強調しすぎていたので、ギャップを感じました。

メンター

大学側、あるいは先生と学生のあいだを取り持つのがメンターです。
メンターには大きく分けると2種類有り、大学の先生も務められるほどの知識を持った教員クラスのメンターと、コーチングに長けたメンターがいます。講座の内容や先生、学生などを総合的に判断して、どのようなメンターを配置するかを決めるそうです。メンターは学生25名につき1名を配置するのが原則です。

具体的には深い知識を必要としない教養科目にはコーチング長けたメンターが配置される傾向があり、専門分野の科目には教員クラスのメンターが配置される傾向があるそうです。

ビジネスとして成り立つのか・収支の話し

現在、開講後2年目なので、まだ収支を云々出来る年数はたっていません。
大学なので、4年サイクルです。4年生まで存在して、初めて収支をはじき出せます。

収入は学生からの授業料に頼っています。

講義のメンテナンス

世界遺産学部は比較的変化の少ない講義内容となりますので、メンテナンスの手間は少ないでしょう。

IT総合学部はとても変化の激しい世界です。とくに即戦力を育成しようとすると、毎月のようにカリキュラムを見直さなければ社会の人的な需要にこたえることは出来ないほどです。今日の知識が明日には役に立たないこともある世界です。
氏阿波ー大学側でもこの点は強く意識していて、メンテナンスにかける時間的人的な負担を最小限に抑えるシステムの開発に努力しているそうです。

出席率と本人確認と単位の扱い

本人の出席が無いのがサイバー大学の最大の特徴なので、授業やレポート、期末試験などの答案などの本人確認にはかなり神経を使っています。不正が行われると大学そのものの信頼が無くなりますから当然といえるでしょう。
単純な暗証コードではなく、ランダムな暗証コードをその都度発行して、その都度ごとに本人確認をするなど、随時見直しを行っているようです。

1単位あたりの合格率は70?80%です。ということは30%の人が21000円から42000円の授業料が無駄になってしまうことになります。サイバー大学ではこうした合格できなかった学生に対して、再チャレンジの機会を無料で与えてくれます。同じ講座なら、翌年でも良く翌年でも好きな機会に申し出れば、1度だけ、無料で受講できます。これは良い試みと思います。
社会人ですと、受講を始めたものの、途中から大きなプロジェクトのメンバーとなり大学の受講どころではなくなると言ったケースは発生しやすいです。

わたしの受けたサイバー大学の印象

当日は各テーブルにサイバー大学に接続したノートブックが配置されたのにもかかわらず、くだらない質疑応答に時間を取られて実際にサイバー大学を試すことが出来ませんでした。この辺りは進行の失敗と思います。

サイバー大学について、相手の説明を聞くだけで、いわば良いところだらけとなってしまいましたが、わたしはむしろ悪い点を自ら話さない姿勢に懐疑を持ちました。当日、実際に試せれば印象も変わったのだと思いますが、試せない以上は当日の話と、サイバー大学のサイトの説明だけを頼りに判断をせざるを得ません。
正直、数百万円の授業料を払って何が得られるのか、分かりませんでした
このあたり、自身で受講したい科目がある方ならば入学する価値があると思いますが、「漠然とした気持ちでIT技術を磨きたい」といった程度の動機なら、もうすこし様子を見て、サイバー大学が言っている4年のサイクルを経た上で入学するかどうかを決めることをお薦めします。

最後に、わたしが最も聞きたかったことは日本国内の世界遺産の現状について、サイバー大学がどの様に認識し、講座で教えているかでした。知床、白神山地、北陸の合掌造りの集落、屋久島など、世界遺産に登録されたばかりに、自然は荒らされ、地元の方の負担は大きくなって悪い方へ廻ってしまい、止まらなくなっているのが現状です。屋久島と姫路城以外は全ての国内の世界遺産を登録前、ないし登録後に見てきましたが、世界遺産登録は100%観光目的で、ユネスコの謳う後世に残す価値のある「遺産」を保護する、という行動が国内に関して言えば欠けているように見受けられます。
こうした点を含めて講義の内容が全く話しに出てきませんでしたので、当日は大変残念でした。

関連サイトのURL

  1. サイバー大学
  2. AMN(アジャルメディアネットワーク)

7月 27th, 2008

Posted In: 参加レポート・ブログ・ブロガーミーティング

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