Yahooグループから、Yahoo、オーバーチュア、アドパートナーの3社(正確にはアドパートナーは株式会社Yahoo内の組織)が参加した、Yahooグループの今後の広告展開についてのブロガーミーティングに参加しました。Yahooグループでは企業向けのオーバーチュアと同等の位置づけとしてアドパートナーを見ていることが分かりました。知名度が低くほとんど利用者のいないアドパートナーがインタレストマッチ広告を導入することによって、google AdSenceに匹敵するような広告に育てたいと言うのが本音でした。
当日は4部構成となっていました。
- Yahooの現状と今後の目指すものについて(川田氏)
- インタレストマッチ広告とはなんなのか(高田氏)
- アドパートナーの説明(島田氏)
- 懇親会
1部 Yahooの現状と今後の目指すものについて
インターネットへのアクセス(需要)はこれまでも右肩上がりに増えていて、今後も増えることは間違いありません。Yahooはそれに応じて4つの柱を重要視しています。
- ソーシャルメディア化
これはYahoo内のコンテンツのニュースなどが該当します。 - Everywhere
パソコンだけでなく、テレビなどあらゆる媒体から利用をされることを目指しています。 - 地域・生活情報
ローカライズドな情報は直接生活に密着しています。例を挙げれば「今日、近所のスーパーで安売りがある」などです。
地域と生活に密着した情報を地図などと絡めて配信して行きます。 - オープン化
パートナーサイトを通じてユーザーの全員とつながりたい、これまでは一方的にYahooが情報を発信していたが、これを双方向にしたいと考えている。
この中で、ソーシャルメディア化とEverywhereは特に目新しいものではありません。
地域・生活情報は数年前からローカライズド検索などでYahooに限らず、各社とも力を入れていますので、どこの会社が勝者の位置に着くか、今激しい競争を繰り広げているところです。
オープン化は話を聞いていて、何を目指したいのか今ひとつ分かりませんでした。Yahooでもまだ明確に定義付けが出来ていないように感じました。通常のオープン化と言えばAPIの公開を指すのですが、そうではなく情報のオープン化のようです。
2部 インタレストマッチ広告とはなんなのか
インタレストマッチはYahoo Japanが独自に開発をした技術です。
7/17(2008)に正式に発表がありました。オーバーチュアのインタレストマッチの記事はこちらです。
http://ov.yahoo.co.jp/service/int/
これまでの検索連動型広告やコンテンツマッチ広告とは違った視点から、広告を配信しようと言う試みです。
具体的にはユーザーが閲覧をしたページを情報としてプールしておき、ユーザーがページを閲覧した時に、そのページのコンテンツにマッチした広告だけを配信するのではなく、過去に閲覧したページ情報を参考として、過去の閲覧のページに合わせた広告も同時に配信しようというものです。
例を挙げれば、5日前に国内旅行のサイトを閲覧しているユーザーが3日前に沖縄の情報を検索して関連ページを閲覧しました。
そして今日はサッカーのページを閲覧しています。
今日のサッカーのページを閲覧している時に配信される広告が、これまでのコンテンツマッチ広告でしたら、サッカー関連の広告だけが配信されてきましたが、インタレストマッチ広告を導入すると、サッカーの広告、沖縄の広告、国内旅行の広告の3つのカテゴリの広告が配信されて、よりユーザーの関心にマッチした広告が配信されると言うものです。
現在のインターネットの利用状況は、ページビューの伸びは鈍化、もしくは横ばいとなっていますが、1ページビュー当たりの閲覧時間は延びているので、1人のユーザーがインターネットを利用している時間は確実に増えています。
要はしっかりと作り込んだコンテンツが増えたので、つまみ食い的な閲覧から、じっくり読む閲覧へとユーザーの行動パターンが変化したと言えるでしょう。
インスタントマッチはこうしたユーザーの行動の変化に合わせて開発されました。
わたしたちwebsiteを運営する側も、この点は注意をしなければなりません。中途半端な情報しか提供できないサイトを立ち上げてもアクセスが期待できないだけでなく、信用も失いかねません。十分な情報を集められるめどがあり、かつ、恒常的に情報を配信できる体勢が整って初めてwebsiteを立ち上げる時代となったといえるでしょう。
内容の伴わないサイトは消えて行く時代へと変わりつつあります。
ユーザーの行動を捉える技術はYahoo Japan独自のものです。
cookieを利用してユーザーの行動を捕捉してゆきます。ユーザーの閲覧ページをデータベース化して、広告を配信して行きます。
これまでのオーバーチュアの検索連動型広告はYahooの利用ページの6%しかカバーしていませんでした。これではもったいないと言うことから、インタレストマッチ広告の開発の契機となったようです。
インタレストマッチ広告はアドパートナーを通じて、一般のwebsiteやblogへの広告の配信も可能となります。このため、開発は自身がはっきりと、googleAdSenceと競合すると明言をしました。
実際にわたしはアドパートナーを利用していますが、現時点では無価値です。
わたしに対して収入をもたらしてくれません。それどころか、コンテンツとは全く関係のない広告ばかりを配信してくるので、サイトそのものの信頼を失いかねない存在です。
一例を挙げれば、交通事故のサイトにアドパートナーを広告として貼ったところ、抜け毛防止や男性用カツラの原色の派手な色のどぎついバナー広告だけが配信されたことがあります。
過去の判例と法律に基づいて作成した、極めてまじめなサイトにこの様な広告を配信するようでは、信頼する気が起きません。
当日、オーバーチュアの社員の方やアドパートナーの担当者にこの点を話しましたが、インスタントマッチ広告が配信されるまでお待ちくださいの一点張りでした。ユーザーはそれほど気長に待ってくれるものではありません。Yahooグループは巨大企業なので、ユーザーを見下しているのか、甘く見ているのではないかと感じました。
少なくともgoogle AdSenseに対抗できるようになるには、良質の広告の配信、広告を掲載するパートナーへのコミッションの増額、高いデザインの自由度、など全てAdSenseを上回らなければ、消えてなくなるサービスとなるでしょう。
3部 アドパートナーの説明
google AdSenseの競合のサービスという位置づけです。
AdSenseとの最大の違いは、Yahooポイントで受け取れるので、1ポイントでも収入が発生すれば、Yahooショッピングなどで利用できることでしょう。アクセス数の少ないサイトなどにはこの点は好かれると思います。
AdSenseとのもう一つの違いは、登録したドメイン以外への広告の配信は成されないと言うことです。ユーザーが自分で広告を配信して貰いたいドメインを手作業で、一つ一つ入力して審査を受けなければなりません。
AdSenseは一度登録をすれば、あとは複数のドメインに広告を掲載しても、登録や審査の必要はありません。利用規約に違反したサイトは、googleのクローラーが自動的に見つけ、アルゴリズムが解析し、メールで注意、もしくは警告を発するシステムとなっています。
オーバーチュアの広告主をアドパートナーの広告主とする事ができるため、開始の時点で膨大な広告主を持っていることになります。このため、ニッチな話題のサイトやコンテンツでも広告が配信される確率が高くなります。
さて、自ら競合相手と名指ししたgoogle AdSenseとの比較はどうでしょうか?
広告主の数は、双方とも公開していないので想像での比較となりますが、AdSenseはかなりニッチな広告主がいますので、アドパートナーにアドバンテージがあるとは思えません。
収入を1ポイントから受け取れるのがメリットとなるのはアクセス数の少ないサイトの運営者だけで、本当に広告で利益を上げて貰えるアクセス数の多いサイトの運営者にとってはメリットにはなりません。
登録をドメイン事に行うのですが、YahooIDを持っていることが前提で、しかも1つのIDあたり3つのドメインしか登録できないので、10のサイトを運営している人は4つのYahooIDを取得し、その上で、個別に登録申請をしなければなりません。
しかも、この登録申請の審査がかなりいい加減です。いい加減という意味は審査がとても厳しいのですが、Yahooディレクトリに登録されているサイトでも審査に通らない場合がありました。
また、一度審査で落とされたサイトを全く変更せずに再申請したところ、通ったという事例をわたし自身が経験しています。こうした審査の基準の曖昧さがある以上、手間をかけてまで個別に審査をしようという気にはなりません。
4部 懇親会
時間が短く、折角Yahoo、オーバーチュア、アドパートナーの担当者の方が見えているにもかかわらず、十分に話をする事が出来ませんでした。
質疑応答などの時間を削って、懇親会の時間を最低でも30分、出来れば1時間を取って頂ければ、得るものも多かったのではと思います。
総括
ブロガーミーティングで有りながら、ほとんどYahooグループの方の話で時間が経過してしまい、ミーティングとは名ばかりとなってしまいました。
期待が大きかっただけに、いささか内容の乏しさを感じたブロガーミーティングでした。
感謝の意
この様な場を設けて頂いた、Yahoo、オーバーチュア、アドパートナーの各担当者様と、アジャイルメディア・ネットワーク様に感謝致します。
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