11/7(2008)にガレリア銀座で開催されたEIZOのアフィリエイター向けの製品開発のセミナーがありましたので参加しました。(ASP:リンクシェア)
当日に開発の話が出た製品は、以前に当ブログで取り上げたマウスとTVリモコンを合わせた機器のC@T-oneとハイビジョン映像を楽しめるFORIS.HD DT27ZD / DT24ZDでした。
C@T-oneは、わたしはモニターとして頂いているので使っていますが、実際の使用では使いにくく失敗作と思っていたのですが、わたしが考えていたのとは逆に人間工学に基づいた、使いやすさを考えた設計が成されている事が聞けるなど、大変に興味深いセミナーとなりました。
以下、わたしの所見を交えながら当日の模様を記録しました。
話は開発の新田さんです。
C@T-oneの開発は、構想を初めてから発売まで1年弱くらいかかりました。発売日は今年(2008)の9/12です。
PC画面にTVを表示させることのできるモニターも既にあったので、わざわざPC用のマウスと、TV用のマウスを一つにする必要が有るのかという、疑問が定義されました。
しかし、PCとTVの操作性がまるで違うので、一つの製品にならないかと言うところから開発の話が始まりました。PC上でTVを見るユーザーは少数と判断したのだろうと思います。
マウスは日本語でネズミ >> 補食するのは猫 >> 補食するのは犬かな?
と言う話から、これまでのマウスの概念を覆すと言う意味合いを込めて、ネズミを補食する猫を名前に取り入れました。
形状は以前、アップルで似た商品が世に出したことがあったそうです。大昔はマックユーザーだったわたしは、何となくアップルがこの手のデザインのマウスを出した事が理解できました。しかし、アップルの製品はC@T-oneとはコンセプトが違っていた事もあり、売れずに廃番となったそうです。
EIZOでは機器のアイコン化を重視しています。
例えばリモコンにはドーナツ型のスイッチが取り入れられています。
C@T-oneも基本構想にドーナツ形状が取り入れられました。
丸い形状は使いづらいことは分かっていたそうです。そのため、丸い形状でありながら、ユーザーが使いやすくするにはどうすればよいのか、形状や大きさを決めるのに2ヶ月弱をかけました。
この形状にあたっての重視したことは、使いやすい製品にすることでした。
TVリモコンとマウスを一緒にすれば便利になるのではないか、と最初に考えた。つまり、ユーザーが使用するリモコンを取り替える煩わしさを解消することが目的でした。
最初はマウスとTVのモード切り替え用のスイッチを付けようと言う案もあリマしたが、PCマウスとTVリモコンで使い分ける時にひっくり返すのだから、加速度センサーによって自動的に動作モードを切り替えるようにしました。
加速度センサーを内蔵しているとは思いませんでした。
この結果、電源が入っているのは表面のみとする事が出来るので、下面のスイッチを押しても誤操作が起きる事が防がれる事となりました。その上、表面しか電源が入っていませんから、内蔵電池の長持ちにも役立ちます。
わたしも今の時代、なぜ使い捨ての単三電池を使用するのかが理解できませんでしたが、開発者はわたしよりもさらに奥深く考えている事が分かりました。
リチウム電池などの内蔵充電池は劣化問題が伴います。内蔵充電池が劣化して充電してもすぐにバッテリー上がりを起こしてしまうと、ユーザーは使い捨てて仕舞うかもしれません。内蔵充電池は以外に高く着くので、買い換える方が安上がりの場合が多いからです。
一旦世に出した製品は長く使って欲しいという開発者の思いがあったそうです。
内蔵充電池だと劣化したら使われなくなると考えたので、充電式の単三電池を使用して貰うことを考慮して単三電池にしました。
わたしもニッカド水素の単三充電池を用いています。奇しくも開発者の考えとわたしの使用方法は一致していました。
充電式の単三電池は公称1.2Vしか無いので、開発の初期から対応しています。アルカリ電池は1.5Vなので、製品によっては1.5Vでないと作動しないものも有るそうです。
この辺りは、いかにも開発者ならではの話として興味深かったです。ユーザーは無いものには興味を示しません。なぜなら無いから気づかないのです。
PCマウスとTVリモコンの切り替えスイッチがあると見栄えが悪くなります。デザインをする上で制約を受けるという意味でしょう
スイッチの切り忘れは電池の寿命を縮めると考えました。スイッチは必ずと言っていいほど切り忘れが有ります。特にリモコンの様に電源が入っている事が明確に分からない機器はなおさらです。
電池寿命を考慮するとスイッチのないことが必要となるとかんがえました。一定時間を経過すると自動的に電源がオフになります。
表にするとマウス、裏になるとTVリモコンに自動で切り替わります。
一度回路を殺しているので、立ち上がりに時間がかかります。これはわたしが使用していて苛つく部分でした。
わたしの場合、C@T-oneは主に画像処理用のディスクトップで使用しているので、業務中でも数時間使用しない事がしばしばあります。数時間使用しないと自動的に電源がオフになるのは大変にありがたいのですが、マウスを左右に動かしても容易に再起動してくれません。3回から5回左右に振ってようやく電源が入ります。わたしが主として使用しているのはMicrosoftのマウスですが、軽く右か左へマウスを振るだけで電源が入ります。
上記の点をわたしが開発者に言うと、「スイッチが無いので、根本的に機能が違っている。開発のコンセプトが違っていると思われる。」と言う回答になっていない回答でしたので、どうも話がかみ合いませんでした。表面と裏面を切り替える加速度センサーを付けるくらいなら、マウスの電源の自動オン・オフももっと素早く対応して欲しいというのがわたしの希望でした。
番組表を出して、次ぎに必要なボタンはカーソルボタン4つ、次ぎに決定ボタンなど10個のボタンが必要となります。
番組表を操作するリモコンのボタンを調査したところ、各社で数や仕様が違っていたそうです。そのため、あえて番組表ボタンを付けませんでした。
リモコンはテーブルの上に置かれるものという前提で開発しました。
綺麗なデザインをしたが、置かれた時に傷が着かないようにぽっちをつけています。
メーカーはユーザーにあえて言わないが、色々な努力をしています。ぽっちりもその一例です。
この辺りの気持ちは、同じ開発者として思わずうなずいてしまいました。わたしはネット上のプログラムを作成するシステムエンジニアですが、ユーザーの使い勝手を考えて作成します。その結果、ユーザーに支持されてアクセスの増加や、使いやすいインターフェイスという評価を得る事が出来ますが、なぜメニューバーがこの位置にあるのか、はやりのプルダウン式のリンクやJavaScriptを使用しないのかなど、ユーザーに向かっては言う場が有りません。でも開発者は、言いたい機会を持ちたいのです。
ボタン面を見ないで操作するためのブラインドタッチ用の形状です。
これがあるので、ボタン面を見ないで操作できます。
ストラップ用の穴です。
店頭では盗難防止用のケーブルを付けることも出来きます。
乾電池には必ず起こること。
液漏れが起きると、電気機器の基盤などを破損して2度と使い物にならなくなります。
C@T-oneは漏れにくい設計をしています。
長期間使用しない時は、電池を抜いておくことが一番です。
なぜ電池の液漏れが起きるのか?それは内圧が大きくなると破裂するので、破裂を防止をするために液漏れするように作られているからです。
100%防ぐ手だては無いので、必ず電池を抜くことです。
乾電池のこうした仕組みは初めて知りましたので、興味深かったです。
円形なので、角形のリモコンと違い正面に向けて赤外線とレンズを配置できないので、送信部のLEDとレンズに工夫をしました。
意図した方向(つまりリモコンを向けた方向)に赤外線がとぶようにしました。
ボタンを押した時の荷重にいかに耐えるか、設計で苦労をしたそうです。
どの部位にどれだけの荷重がかかるかが、パソコン上で全てシュミレートすることが出来る時代となったので、まだしも楽だったそうです。
テレビは店頭モードがあり、設定を変えないと疲れるそうです。開発の担当者はバリバリモードと読んでいました。
このばりばりモードを知らないで使っていると、眼精疲労を起こしやすいそうです。
3歳児まではテレビを間近でみたがる(見えないから近づいてみる)ので、バリバリモードで見せてしまうと、視力が悪くなりやすくなるそうです。子供がテレビに近づいて見るときは、話して遠ざけてあげるようにしてくださいとの事でした。
1/13 2009 TREviewへのリンクを追加しました。
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12/ 1 2008に下記のリンクを追加しました。
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mizunuma 11月 13th, 2008
Posted In: PC/パソコンの周辺機器, アフィリエイトセミナー参加レポート