1/31 2009コクヨの新発売スキャナー「CaminacsW」のブロガーミーティングがありましたので参加しました。開催:みんぽす
CaminacsWは通常の読み込みでA3サイズをスキャニング出来ますが、アプリケーションを使用すればA2サイズの新聞も読み込めてしまう非常に優れた多様な使い方ができるスキャナーです。しかも小型ボディーで場所を取りません。
2/2に新製品発表、3/2に発売という全く新しい機種の説明会です。プレス発表前に実機に触れられるという貴重なイベントでした。
以下、当日の模様をわたしの主観を交えて記録します。
当日のコクヨのスタッフは
プロモーション担当の水谷さん
開発担当の長司さん
開発担当の河井さん
プロモーション担当の水谷さん。笑顔がすてきな方です。ブロガーミーティング全体の流れを統括されました。
みんぽすのブロガーミーティング恒例の自己紹介
ハンドルネーム、ブログ名と質問は「あなたはネコ派ですかイヌ派ですか?」です。
ネコ派とイヌ派は半々、ネコイヌともにだめという人も数名いました。
わたしはネコもイヌも苦手なので、ハムスター派と答えました。
今回貸し出し出されるスキャナーは製品版ではない試作機です。
プレスリリース前の商品なので2/3以降にブログにアップのこと。
このため、記事は既に書き上げてありましたが、今日のアップとなりました。
ネーミングのCaminacsの「キャミナックス」は「紙なくす」から来ています。「カミナックス」か「キャミナックス」かどうなのかという問い合わせがあるそうです。
この方が長司さんです。開発全体の流れを統括された方のようです。穏和で論理的な思考をされる方です。
黒田善太郎が始めた黒田表紙店が初めて。
国の誉になるようにと「国誉」と書き「コクヨ」と読ませました。国とは故郷の岡山富山のこと。日本ではありません。
江戸時代から明治時代にかけて、「国」と書くと時に日本ではなく生まれ故郷のことを指しました。今でも「お国なまり」という言葉がありますので、この辺の事情はおわかり頂けるのではないかと思います。
創業の精神は「面倒でやっかいな仕事」を行うこと。
創業当時、他社からいまの時代は『カスの商売』しか残っていないよと言われたそうです。そのカスの仕事をこなして世の中の役に立とうという社風は今でも残っているそうです。
経営の信条。
一例。書かん箋は100枚と言っても、当初は表紙などを差し引くと97枚しか無かったのを、コクヨが本当に書ける枚数を100枚として発売しました。以降、書かん箋といえばコクヨといわれるようになったそうです。
「商品を通じて社会に役立つ」
※:クリックすると画像が拡大します。ぜひ、経営の信条をお読みください。
様式帳簿1913年製造開始
背表紙にマーブル模様をつけて、1枚抜くとわかるようにしました。今で言えばセキュリティといえるでしょう。
キャンパスノート1975年発売
現在は4代目。改良点は背表紙。すり切れやすいから。
ひらめき、はかどり、ここちよさ
ひらめき=創造性
はかどり=効率性
ここちよさ=快適性
コクヨはオフィス全体をトータルコーディネイトします。
働きやすい機能的なオフィスをコーディネイト。
オフィスのコーディネイトや文房具のメーカーのコクヨがスキャナーを開発しました。
その訳は?
社員一人あたりが所有する紙を換算すると4.5mから6mになります。紙を減らすことが目標です。スペースの無駄使いをなくすこと。
しかも、書類探しの時間が20分平均。これは非効率です。
まだ、スキャナを使用する時の無駄があります。
使いたいときにスキャナがある遠くまで歩いていかなくてはならない。
複合機だと機能が豊富すぎて、スキャナーの機能を使いこなすことを覚えるだけでも大変(わたしも複合機を使っているのでよく分かります)
複合機はA4しかスキャン出来ませんからA3をスキャンしようとすると、別の機種を使わなければなりません。サイズによって使い分けるのは面倒です。
紙の使用サイズ
A4約90%
A3約7%
B4約2%
その他約1%
A4のファイルの中に1枚だけA3やB4が混じっている場合が多いそうです。
枚数の割合に関係なく、大きな紙をスキャンする需要があります。なぜなら1枚でもあれば、そのファイルが必要だからです。
この方が河井さんです。とても体の大きな方で、笑顔を絶やしませんでした。
開発に一番苦労したのは大きさの制約でした
A3まで読み込めるスキャナでありながら、A4ファイルフォルダーと同じ大きさにすることが目標でした。
1.CISをできるだけ小さくする
2.コンパクトとでも用紙の搬送性を追及
要素検討機
原始的だがねじで調整をしました。(指を指しているところです)
バネなどを幾通りもかえて試験を繰り返しました。
温度による変化も何度も試しました。
3.使い勝手にこだわったデザイン
角を丸くしたらどう変わるかなど、モックアップを幾種類も作りました。
そして透明の試作機を製作しました。
左の小型機はコクヨのA4機、ほとんど大きさが変わりません。
A4機の1.3倍の横幅で収まっています。
ラウンドフォルム、天面カバー、ボタンの位置、排紙トレーの角度などを使いやすいように検討しました。
取っ手をつけてあるので、持ちやすくしています。
オフィスのワークスタイルに合わせたサイズに設計してあります。書類を入れるワゴンの上にピタリと収まるサイズです。
しかしワゴンには入りません、将来はファイルボックスを目指しています。ワゴンがファイルボックスを入れることを前提にしているので、物理的に入れることが困難なのだそうです。
A2は折りたたんで新聞でもまるまる読み込むことができる工夫がなされています。
複合機では名刺の連続読みとりは不可能なモノが多いので、コクヨのスキャナーはこの点が大きなアドバンテージとなります。
取っ手が持ちにくい。ちょっと滑ると落とすので意味が無い。
深さが欲しい、爪が引っかかる部分が欲しい、ゴムなどの滑り止めが欲しい。
新聞を折りたたむと、たたんだ部分の文字が折りたためて読みにくくなる。
これは新聞に関しては一面などの見出しとその読み込みを前提にしているため。
表面がシロなので、日焼けで黄ばみやすいのではないか?
ボディーに対して対光試験を行っている。
一般的なオフィスでの使用では変色しないように作られている。
天板、ボディーなど部品によって塗装と材質が違っているので、一部分だけ変色することがある。
ボディーはアルコールなどは拭かない方がよい、中性洗剤を薄めて拭くのがよい。
スキャンができるのは1枚の紙だけ。
雑誌などは切り離さないと読みとれない。
精度
写真を読み込めば50インチのテレビで見ても十分な画質。
解像度:600dpi
省電力
スキャナーは以外に電源の切り忘れが多いことに気がついた。
自動で電源がオン/オフされる。
デザインが決まるまで
飽きがこないデザインということで、やや丸みのあるデザインとした。
モックアップは削りだし。重い。
ビジネスユーザーとコンシューマの比率は?
ほとんどはビジネスユーザーと想定、価格的にコンシューマが購入することは難しいと思う。
コンシューマーは年賀状の読み込みなどのニーズがある。
背面がすっきりしているのがよい。
とがった部分が全くない。ねじ穴がみられないのがすっきりとしている。
開発のコンセプト
パーソナルオフィスでの使用。会社の中でスキャナーを必要としている個人個人のオフィススペースに1台ずつ配置できることを目標とした。
PCのスペックが高ければ速度もある程度早くなる。
ただし、オフィスユーザーでは同じPCを長い期間使っている場合が多いので、低スペックのPCでもさほどストレス無く使える。
発売日
発表は2/2(CaminacsW プレスリリースのページ)
発売は3/2
名称
コクヨ カミナックス 紙なくす Caminacs W コクヨ スキャナーなど数が多いので、ユーザーがとまどう可能性がある。特にインターネットで検索をするキーワードは広範囲になると予想される。
開発期間
2年、小型化に苦労をした。
参考までに、クロモノ家電は約1年。
内部の清掃
紙粉がつくので、拭いた方がよい。
ソフト
2万5千円以上するソフトを1万円高で付属しているのでお買い得。
ネットで配信される動画のヤギさんはコクヨの社員の方が着ぐるみを着ているそうです。
ユーチューブにヤギチャンネルをアップしてヤギの画像を集めているそうです。
ほかにも登録をすると、ヤギが入ってくるスクリーンセイバーがダウンロードできるそうです。
複数のCaminacsWを用意して頂き、新聞紙から名刺、ドキュメントなどを実際にスキャニングしました。
A2フォルダーはオプション
最初に予約をしてくれたユーザーへは無料で1枚をプレゼントという企画があるそうです。
先着2000名と正式にアナウンスされました。
A2を読み込ませると、両面スキャンをして自動合成してくれます。
折りたたみの箇所の文字がわずかに読みづらいていどで、読めないと言うことは有りません。実用上、問題となることは無いでしょう。
見積書などの表を読み込ませると...
付属ソフトの「さくっとファイリング」を使用すれば、読み込んだ画像をExcelに変換ができます。
読み込ませる用紙が文章で有ればWordに変換出来ます。
この機能はPDFからの読み込みもできます。
作業はクリックをするだけで、ほぼ完全な状態でExcelファイルに変換できました。たさ半角と全角文字の違いがでてくるので後で修正が必要です。
アプリケーションだけ単品で購入できるそうです。ダウンロード先はベクターです。
名刺を読み込ませると...
付属ソフトが名刺を社名や氏名、住所などを自動で振り分けてくれます。しかも、名刺画像を残しておいてくれるので、頂いた名刺を破棄してもオリジナルの名刺画像を残しておけます。名刺のスキャニングも20枚連続で行えるので、作業性は大幅にこうじょうしています。
営業マンや企業の経営者など、名刺交換の機会の多い方は、この機能だけでも十分に価格に見合うのではないかと思います。
ここからは一般の社員の方が働いているスペースなので撮影は出来ません。写真無しのレビューとなります。
コンセプト
環境に優しいオフィス、「エコライブオフィス」。
CO2の削減年間56t(約41%)
実現の方法
設備の改善
人感センサーの導入、6分間で200ルクスまで落ちてきます。最大で700ルクス。空調も人がいないところでは作動しないように作られています。
一定温度となると窓が開き、外気が入るようになっています。外気を送風することで、温度を調整するそうです。
できるだけ残業を無くするようにしている。
バッテリー搭載のミニオフィステーブル
夜間の電気代が安い時間に充電をします。
どこに移動していてもPCを使うことができます。最大4時間使用できます。
充電式の製品は、充電池が寿命を迎えたときの廃棄を考えると、どこまでエコロジーに貢献できるのか、いつも疑問に感じるところです。
知的照明
世界初の取り組みです。
光の色を変えられます。
照度コントロール、明るさ選択、ワークシーンスタイル。
一度設定をした明かりを記憶させておくことができます。
人によって気に入った光環境を登録することができます。
同志社大学三木教授と提携。
マイロッカー
自分の鍵番号を設定できる。
デザインは曲線を貴重としている。
鍵のないロッカーは木製でデザインに曲線を採用しています。高価な品だと思いますが、見たり触れたりするととても優しい感じがします。
人感センサーがあるところに社員用の席を設けてあります。
2時間ごとに席を立って移動するようにしているそうです。わたしの様な一度座ると4時間以上動かない職種の人間には考えられないことですが、営業や事務などの職種だとかえって効率がよいのかもしれません。
みんなにノートPCを支給されて、そのPCを使用しています。持ち出しは厳禁です。
誰がどこにいるかが社員が把握できないのが不満としてあるそうです。携帯でどこにいるのと聞いたりしているのが現状。これを将来、何とかしたいと考えているそうです。
創業の心
買う身になって作る
和式帳簿を作る請負の仕事から始めた。
そこから帳簿全体を作るようになった。
様式帳簿のマーブル模様。
大正初期、イギリスからの輸入に頼っていた帳簿用紙の安定供給を目指した黒田善太郎が王子製紙に国産かを要請。10年以上の品質向上に取り組んで輸入物に負けないコクヨ帳簿紙が安定的に供給されるようになりました。
ホームキャビネット
引き出しに小さな貯金箱がついています。グッドデザイン賞の初代受賞製品。個人商店などで利用されたようです。
以上、当日の模様をまとめました。
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mizunuma 2月 3rd, 2009
Posted In: 参加レポート・ブログ・ブロガーミーティング