日立の薄型テレビ Woooシリーズ 2009モデルのみんぽすのブロガーセミナーが4/25 2009に開催されましたので参加してきました。
薄型テレビの中でユニークな地位を保っているWoooの開発秘話を聞き、完全に分解されたWoooの展示品まで見ることが出来きた、興味深いセミナーでした。
説明は鈴木宏幸さんさん
最初に日立の企業理念の説明
3つあります。
「和」「誠」「開拓者精神」。
日立というとわたしは意味不明の「HITACHI : Inspire the Next」しか知らなかったのですが、ちゃんと日本語の企業理念もあったと驚きました。
日立 Wooo
Woooの提案は、ユーザーに信頼される製品を提供すること。
高品質デザイン、高画質、操作性の3つに表すことができます。
画質について
1997年9月に「プログレッシブテレビスキャン対応ワイドテレビ」を発売。
- 当時の時代背景
- ブラウン管テレビの終焉の間際です。
ハイビジョン放送はまだアナログでした。 - 何が凄かったのか?
- 走査線を2倍にしました。
その効果は?
「フリッカ」を大幅に軽減することができました。大阪教育大学教授に「目の疲れ」との関係を論文にしていただいた。
当時の他社はフラットブラウン管に注力していました。
営業からはフラットブラウン管に注力するように言われましたが、「フリッカプログレッシブスキャンは目の疲れを軽減する製品」なので、社内を説得してフリッカの軽減に注力したそうです。 - ※:WillVill様から記事の間違いの指摘を受けましたので、訂正をしました(6/21 2009)
※:WillVill様から記事の再訂正の依頼を受けましたので、訂正をしました(7/ 2 2009) - 目の疲れを軽減するのではフリッカではなく、プログレッシブスキャンです。フリッカは目に悪いとのことです。
フリッカについてのWikiPediaの記事
プログレッシブスキャンについてのIT用語辞典の記事
2007年12月デビュー WoooUTシリーズ
- 当時の時代考証
- 薄型テレビが発売された当初、壁に掛けられるテレビが登場したと思えたが、結局台の上においているのが現状でした。
- そこで研究所、部材部門など凄い人が集まって協力して具体化した本物の薄型のテレビです。
- どこまで薄型にできるのか?
- どうすれば薄型かと同時に質量を減らすことができるのか?
- 放熱対策は?
- 一般家電品としての強度は?(子供でも安心して扱えるか)
実質、4ヶ月で量産化できました(通常はもう少し時間がかかるそうです)。その後は他社に追従される製品となりました。
開発の経緯
当初は背面のフルフラット化を議論しました。
熱対策、本当に大変だったそうです。バックカバーを放熱フィンとしてみたそうです。
(写真は2009年モデル)
レイアウトフリーというコンセプトも併せ持っていました。テレビを置く場所を問わないということです。
レイアウトフリーの延長線に配線がテレビの背面から出るのはみっともないので、別に配線用の機器を設けるという発想がありました。
(写真は2009年モデル)
こうすることで...
- インテリアが変わる
- 置き場所が変わる
- 厚さ3センチ台を実現
ちょっと話が戻り2003年12月デビューの製品です..
HDDレコーダー内蔵プラズマテレビを発売しました(当時、デジタル放送をきれいに残したいという需要が大きくあったので発売となったようです)。
HDDの容量は約40GB 160GBから始まりました(パソコンの世界ではテラバイトが当たり前の今から考えると驚くほどの小容量です)。
※:WillVill様から記事の間違いの指摘を受けましたので、訂正をしました(6/21 2009)
据え置き型のレコーダー(テレビを録画するビデオデッキやDVDレコーダーなど)がいらないテレビを提案しました。
DVDレコーダーはエンコードとデコードの作業が入るがHDDはそれが入らないです。
こうしたことが積み重なって、DVDとHDDで迷っていたユーザーから圧倒的な支持を得られた製品となりました。
営業との対話
レコーダーと別に販売した方が儲かるのではないか?
ユーザーが本当に望んでいる製品を売りたいと営業を説得をしたそうです。
薄型テレビでHDD内蔵は...
録画テレビは日立が業界初。だからいいことが満載だそです。
- 起動が早い。
- 入力切り替えなしですぐに録画、再生。
- リモコンは一つ。(テレビと録画再生機器の2つの必要がない)
- 接続なし、追加スペースの設置に悩まなくてすむ。(録画機器の配線の接続という余分な操作が必要ない)
- 電気代はテレビに含まれるので省エネ。
「設置性グッド、使い勝手もグッド」が当時の販売のキャッチコピーでした。
2003年以降、日立薄型テレビの必須ラインアップ
「全ては高画質ハイビジョン生活を楽しんで頂くために...」
HDD容量は160GBから250GB(録画時間は50時間へ)。
HDDは3.5インチから2.5インチへ(小型化)、最大録画時間は約200時間録画。
カセットHDD、容量を簡単に増やせるツールです。160GB、250GB、320GBへと容量が増え続けています。
ネットワークへの対応
2007年アクトビラ誕生
日立は出資会社、しかし、立ち上がり当初にはスルーをしていました。
- なぜ
- 1.ハイビジョン動画に対応できる環境でなかった。光回線がすくなく、低速なADSLが主流を占めていたから...。
- 2.市場全体のネット対応機種が少ないから...。
発売する時期を待っていまいた。そして2009年、全機種が対応しました。
敵は身内にあり
- 薄さ35mmの実現の話し
調査の結果から30mm台の薄さを目標にしました。この数値はユーザー調査した結果、10mm、30mmなどを比較してもらうと、30mmが一番多かったからです。
電源にはトランスコイルが必要。30mm未満にまで収めなければケースに入りません。非常に苦労したそうです。
- ホワイトムスクの品位
樹脂の裏面から塗装をしているので、思うとおりの色が出せませんでした。
二度塗りで実現。
- バックカラーの仕上げ
薄型を強調するためフルフラット化を実現。
放熱穴の排除を目標。
横に放熱穴は空いていません。これは横が一番薄さを実感できるので、横から見た美しさを重視したからです。
- ACアダプター内蔵化
昨年モデルはACアダプター付きで販売。
原因は放熱設計が困難なことと、モニター出力端子の追加を決定していたため。
結果、ユーザーから不満の声が多く寄せられたそうです。
今年のモデルでは、新規の部品を開発してACアダプターレスを実現しました。
2009年モデル
大きく分けると3タイプになります。
UTモデル(液晶テレビ)
プラズマテレビ
液晶テレビ
全てに共通の機能は...
HDD250GB内蔵、iVポケット(カセットHDD)、8倍ハイビジョン録画(200時間)、インテリジェントオート高画質、acTVila。
市場環境(今のテレビの使われ方)
かつてのテレビは放送を見る道具。
今のテレビは使われ方が多様化しました。
ユーザーそれぞれのアクティブ・ウィンドウになりました。テレビは見るから観るへ変わりました。
ゲーム、ネット、ビデオカメラなどのマイコンテンツなどユーザーが自分の好みや必要に応じた使い方をしています。
見るテレビ > 全機種「インテリジェントオート高画質」、視聴環境に最適な画質に自動調整します。
高画質の話し
高画質を実現するためにインテリジェントオート高画質を搭載。
視聴環境をテレビが読みとります。
明るさ、照明の色、テレビに映し出されているシーンの色、番組のジャンルをインテリジェント・センサーで常時感知して、最適の「明るさ、黒色の表現、色温度、色の階調表現制御、色の彩度、くっきりさの表現」を自動で調整しています。
全機種、梱包箱をスリム化
UTシリーズだけでなく、全てのWoooを梱包材料の削減、搭載量を減らしてCO2を削減に貢献。
箱の大きさの比較
UTと昨年の一体式の薄型テレビの比較の写真です。(左がWooUT 2009の梱包箱)
同一機種ではないので単純な比較はできないのですが、同じ42インチテレビでこれだけ梱包の大きさが違うと、トラックなどに積み込める台数が大きく変わってきます。UTなら1台の大型トレーラーですむところを大きな箱のテレビだと2台以上のトレーラーで運ばなければ同じ台数の運送ができません。箱が小さいと言うことがCO2の削減に直接結びついています。
エコへの具体的な取り組みが目で見えます。
エコメーターを表示します。
センサーオートを搭載すると、年間の電気代が約4千円安くなります。
10年前のテレビ、昨年のテレビとの比較の表が出ました。この10年間のテレビの省電力化は、日立に限らず驚くほどのものです。
製品の話し
商品実機の説明
ケースは樹脂製でとても薄いです。塗装は裏面から行われています。非常に繊細な印象を受けるケースです。
昨年のモデルの3.5インチHDDと2.5インチHDDの比較。2.5インチにしたことでケースの中に大きな空間を作れました。この空間にAC電源を入れることで、ACアダプターをなくすことができました。
左が2009年モデル、真ん中に2.5インチのHDDがあり、右側に電源ユニットが配置されています。
センサーオートの体感
暗い部屋で見るのと明るい部屋で見るのとで、テレビの見え方が違います。オートセンサーが調整しているからです。
また、暖色系の光の色の元で見ることも自動で調整してくれます。屋内で見る時、日中と夜とでは当然明るさが違いますが、それ以外にも蛍光灯と白熱灯系の暖色の色でも違ってきます。それを自動で調整してくれるので、より映像の作り手の色に近い色で再現してくれます。
(写真は左が2009年モデル、明かりは暖色系です、写真でもはっきりと色の違いが分かります)
省エネモード
新機種83Wと旧機種120W。
エコパネル。バックライトとして蛍光管を使用しています。蛍光灯の本数を減らして拡散パネルや集光フィルターなどの技術を取り入れてエコを実現しています。
この辺は各メーカーとも共通の様です。単に画質にこだわるだけではなく、いかに環境に配慮するか、CO2の削減、つまり消費電力を少なくするかに技術力を注いでいます。
アクトビラ
ハイビジョン動画をダウンロードできるネットサービス。
しかし認証度は低い、当日の参加者でも知っている人はいなかったです。
ダンロードしてから見ることができます。
ネットで流れてくる動画の画質は?
ハイビジョン動画、きれいな映像でしたが、若干画質が劣化しています。ブルーレイに比べて価格は安いのですが、はっきりと画質の劣化が分かってしまうので、ちょっと厳しいかなと感じました。
BDと同じコンテンツをハイビジョンでダウンロードできることが売りです。
ダウンロードはとても時間がかかります。忙しくてレンタルBDを貸し借り出来ない方や、BDを買えない地方の方向けのサービスかなと思いました。
(注:一昨年までわたしが住んでいた北海道の紋別郡では、一番近いレンタルDVD店が約40km、車で40分かかりました)
圧縮
TSX4 4倍長くハイビジョンを録画できます。
さすがに4倍長く録画すると画質の劣化がはっきりと分かってしまいます。ただ、DVDと比べればまだ高画質と言えそうです。
200時間モード
ハイビジョンのデジタルをアナログに変換して録画する機能。
これまでの200時間モードは、昨年モデルは絵がつぶれていて見るに耐えないように見えましたが、現行型は十分に見られる画質でした。ただしハイビジョンの映像と言うほどの画質ではありませんでした。高画質で録画するほどではないが残しておいて後で見たいという長時間の連続ドラマ向けの録画機能と思いました。
カセットHDD
軽く差し込むだけでモーターが取り込んでくれます。凄くスムーズで驚きました。
抜き取るときにちょっと引っかかります。ボディーが動くくらい強く引っかかるので、良い機能だけに惜しまれるところです。
本体を換えてもカセットHDDは使い回せます。VHSみたいに手渡せることが売りです。
見せたくない画像などが入っているカセットHDDにガードをかけて他人に見せないようにすることはできないそうです。
WoooNet
ポストイットみたいに貼り付けるメモ機能がついています。
携帯電話からでもメッセージの送受信ができます。もちろん、テレビから文字入力もできます。全く新しい機能なので、ユーザビリティなどが悪く、現時点では使い物にならないでしょう。でもこの機能が進化すると、テレビが家族の文字のコミュニケーションツールになる可能性を秘めています。
実際、大型テレビが普及するようになってから、家族がリビングルームに集まるようになったと言われています。そうした世の中の流れの更に先にこの機能は位置づけられるでしょう。次期モデルから無くなってしまうことのない様に、健全な発展を望みます。
Yahoo!Japanのテレビポータルサイトにアクセスできるアイコンが用意されています。テレビ用なのでスクロールなどの必要がありません。考えようによってはパソコンで見るYahoo!Japanのサイトよりも見やすいと言えます。
内蔵HDDの録画時間
250GBの内蔵HDDでの録画時間がフルハイビジョンで20時間強です。映画などですと10作品前後しか録り溜めておけないので、増設のためのカセットHDDは必須と思います。
内部はこうなっています!
各パーツを縦に並べてあります。一つ一つのパーツ、基盤が驚くほど薄いことが分かります。
透明なケースに収められたWoooの背面。
基盤。
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